ごまめぼし

ごまめさんのダラダラした日常

おぼたーじゅ

弟が帰省した。
彼は私の半身であり、すべての知識と偏った趣味を教養し、強要してきた人生の戦友である。
彼はとても大らかで生真面目で不器用な青年だ。
私は弟である彼をとても慕い、尊敬している。
簡単に言うと超絶ブラコンなのだ。私は。



そんな彼がここに帰省する度に、やはりここは心が落ち着くなと言う。
わりかし田舎な故郷を懐かしむ彼はなんと頼もしくなったのだろうか。
私たちはどんどん大人になって、同じ方向だけど少し離れた道を自分の意思で歩いている。
そんな時私は夕方に犬の散歩に必ず付いてきてくれていた子供のころを思い出すのだ。
何も変わらないようで、何かが変わってゆく。ゆっくり、確実に。
彼の中でも私の中でも。
鼻の奥がツンとする。
大人になったな、と感じる。
少し寂しいような、嬉しいようなそんな車内。
夕日がいつもより目にしみる。



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