ごまめぼし

ごまめさんのダラダラした日常

ゆあーんゆよーん


旦那になる人と一緒になる前にどうしてもしておかなければいけなかったこと。

いつもいつでも心にいた人に好きだと告げた。
旦那になる人とは別の人で、その「彼」を私は八年も思い続けていた。
彼氏がいても、彼女がいても。
なにもかわらず。
結婚を機に言っておかなければいつまでも引きずり続けると思った。
それは旦那に申し訳ないし、そんなものを抱えて嫁に行く自分も嫌だった。


「知ってると思うけど、ずっと好きだったよ。お互いに相手がいてもいなくても。世界で一番大事だった。」
そう告げると「彼」は自分も好きだったと言った。
あぁ、人生とはなんと歪だろうか。
いつでも私たちは一緒になれたのだ。
その気になれば。
少しずつ掛け違えて私は彼と違う人へ嫁にいく。
もちろん旦那になる彼を愛している。
でもそれとはまた違う愛なのだ。
「彼」に抱く私の心というのは。

八年の心が溢れて、言っても泣かないだろうと思ったのに気づいたら泣いていた。
「彼」も泣いていた。
臆病で優しすぎた「彼」。
これからは過去にしていかなければいけない「彼」。
今でも愛おしい「彼」。
この後4年は引きずってくれると言った。
嘘でも私には優しく嬉しい言葉だった。


最後に一回キスしてセックスがしてみたい。と私が言うと困った顔をしてダメだと言われた。
本当は自分もしたいくせに。と言うとまた困った顔でそうだよ。と言った。
本当に抑圧を絵に描いたような人。
でもそうね、そういうところがとても好きなの、と私は思う。
たった今この瞬間も。
あなたが愛おしい。
でも本当にこれでさようなら。
一度も結ばれることのなかった愛しいあなた。